「お宿でん吉」のホームページにようこそいらっしゃいました。

 築150年の古民家を改装した「お宿でん吉」は、私が生まれ育った家でもあります。 南阿蘇村は、雄大な自然を背景に、洗練されたレストランや施設が年々増え、今では人気の観光地として名を馳せるようになりました。
しかし、私が育った昭和中期は、今では想像することができないほど、何もない日本の原風景が広がる所でした。
 子供時代は、雄大で神々しい山々に見守られながら、小川のせせらぎや風にそよぐ木々の音をバックに野山を駆け回り、虫とり、魚釣りなどさまざまな遊びに興じて毎日が過ぎ ていきました。夕焼けで空が真っ赤に染まり始めると、走って家に帰り、囲炉裏を囲んで 家族で食事をしました。
 成長し、大人になるにつれ、人生にはさまざまな喜びがある反面、苦難も訪れることに悩みました。そんな時、いつも私を支えてくれたのは、子供時代に駆け回ったふるさとの山々と自然の風景でした。故郷があることが、こんなにも人を安心させ、励ましてくれるのかと、いつも感謝でいっぱいになります。

 年を経るにつれ、地域の古民家がどんどん失われていく中で、先祖代々受け継いできたこの家を一番いい形で残したい・・・そう考え続け、出た答えが民宿としての活用でした。
そして、今、40年に亘って温めてきた想いを実現し、古き良き時代の佇まいはそのままに、心地よく過ごしていただけるように改装を行い、古民家民宿「お宿でん吉」が誕生しました。

 南阿蘇村の雄大で優しい自然と築150年の住まいは無条件に人の心を癒します。
 ふるさとのある人もない人も、いつでも、何度でも、自分の生まれ育った家のように訪れていただきたい・・・。身も心も癒される空間で、友達、家族、大事な人々とともに、ゆったりした時間を過ごし、元気いっぱいに日常の場所へ戻っていただきたい・・・。
 「お宿でん吉」が、訪れる方々の「心のふるさと」としてお役に立てれば、これほど嬉しいことはありません。

「お宿でん吉」家主 原田 吉雄